ベルギー出張

先週1週間、出張でベルギーに行ってきたので、プチ紀行文として気が付いたことをメモしておきます。


■ベルギーの食べ物・飲み物
ベルギーといえばビール、ステーキやソーセージといった地元の肉料理、フライドポテトにもよくあって美味しかった。日本のようにキンキンに冷やすのではなく、常温でいただくのが地元の流儀なのかな。ムール貝のワイン酒蒸しも名物で、バケツのような鍋いっぱいに調理したてを出してくれたものをムシャムシャ食べていくのも良かった。これもビールによく合う。日本で言うと、アサリの酒蒸しみたいな発想の料理なのかな。旅行のガイド本によるとフライドポテト(フリッツ)はベルギー発祥らしいが、ムール貝の蒸し料理は実はオランダ起源で貝もほとんどオランダから輸入してるんだよ、とは今回の出張先で出会った、取引先のお偉いさんの弁。彼はオランダ人で、仕事でこっちにも出張でよく来るんだとか。どこの国や地域でも、ちょっとしたお隣さんとの本家論争ってあるんだよなぁ、オランダとベルギーのご近所づきあいの様子が垣間見れて、このやりとりは面白かった。


■ベルギーの人々
今回はアントワープに滞在しブリュッセルも観光で回ったが、街行く人々はみな親切。道路を横断するときも、たいていのドライバーは車を止めて先に通してくれるし、電車の乗り降りも無理な割り込みはしない。見るからにアジアからの旅行者だったから、というのもあったかもしれないけれど。日本に帰ってくると、電車の順番待ちも駅や道を歩いていても、譲ってくれることはまずないし、でも、これはお国柄というよりは東京の人口密度のせいかもしれない。でも、せめて旅行者には道を譲ってあげるよう、気をつけようっと。

言語はオランダ語方言のフランデレン語が6割、フランス語が3割がほとんどで、1割程度はドイツ語を話すんだ、とはタクシーの運転手の話。ユニクロの店舗も、他のブランドも含めてお客さんは結構入っていてくれたけど、運転手さんのユニクロ受けはイマイチで、ベーシックな商品の色違い・サイズ違いばかりで、バリエーションが少なく見えた点がお気に召さなかった模様。ファッション通りには有名ブランド店が軒を連ねており、競争は厳しそうだ。ここで知名度を上げて地元の人にも気に入っていただけるよう、頑張らないといけません。


■美術鑑賞
自由時間もあり、アントワープノートルダム大聖堂ブリュッセルの王立美術館にも寄ることができてラッキー。

日本人には「フランダースの犬」でおなじみのノートルダム大聖堂ルーベンスの傑作『キリスト昇架』『キリスト降架』『聖母被昇天』が見られて大満足。ブリュッセルの王立美術館の展示も合わせると、これだけまとめてルーベンスの作品を鑑賞できる機会も、一生のうちでもうあるかないか。(ここにまたやってこなければ、もうないでしょうね。ありがたいことです。)

ブリュッセルの王立美術館は、前述のルーベンス作品も楽しめる古典美術館のほかに、19世紀末の作品展示を中心とした世紀末美術館、マグリット美術館と3つの美術館から成っている。ブリューゲル、ボス、マグリットと連なる、フランドル画家のシュルレアリスムの流れを本場で追えるのも楽しかった。

海外の美術館の楽しみの一つは、ご当地作家のまとまった作品群に触れて、今まで知らなかった画家の魅力や画家自体を発見できることにもある。今回、出会えたのはジェームズ・アンソール。調べてみると、日本で楽しめる展示作品は少なく、また、収蔵先はブリュッセルではなく今回閉館中だったアントワープの王立美術館が多いことに気付く。2019年春まで改装工事の予定なので、将来、また来てみたい。


http://kininaruart.com/artist/world/ensor.html